最新記事

人権問題

英国でXmasカードに「中国・上海の外国人受刑者、意思に反して強制労働」 中国は報道否定

2019年12月24日(火)09時59分

中国は23日、国内の刑務所で強制労働させられているとのメッセージが書かれたクリスマスカードが英国で販売されたとの前日の報道を受け、強制労働の報道を否定した。写真は上海の青浦刑務所。2018年7月4日撮影(2019年 ロイター/Aly Song)

中国は23日、国内の刑務所で強制労働させられているとのメッセージが書かれたクリスマスカードが英国で販売されたとの前日の報道を受け、強制労働の報道を否定した。カードは受刑者が封入したとみられ、英国で販売されたものの中に混じっていたという。

サンデー・タイムズ紙は、英スーパー大手テスコで買ったチャリティーカードの中にメッセージが書かれたものがあるのを少女が発見したと報道。カードには、「われわれは中国・上海の青浦刑務所に収監されている外国人受刑者。意思に反して労働させられている」と書かれていた。

同紙によると、メッセージには、受け取った人に対し、英国の元ジャーナリストで企業不正の調査員であるピーター・ハンフリー氏に連絡してほしいと書かれていた。ハンフリー氏は、2014─15年に同じ刑務所に収監されていた。

テスコは22日、クリスマスカードを供給していた中国の業者の業務を一時停止。調査を開始したと表明した。

中国外務省の耿爽報道官は、23日の記者会見で、「責任を持って言える。関連機関によると、上海の青浦刑務所において、外国人受刑者が強制労働を強いられているとの事案は発生していない」と述べた。

また、一連の報道は「ハンフリー氏が演出した狂言」と一蹴した。

一方ハンフリー氏はこれを否定。ロイターに、「この事象についても報道についても、狂言をでっち上げる手段はまったく存在しなかった。メッセージが書かれたカードは、私がこれまでに会ったこともなければ、その瞬間まで知ることもなかった家族が購入したカードの中に入っていた」と語った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191224issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

12月24日号(12月17日発売)は「首脳の成績表」特集。「ガキ大将」トランプは落第? 安倍外交の得点は? プーチン、文在寅、ボリス・ジョンソン、習近平は?――世界の首脳を査定し、その能力と資質から国際情勢を読み解く特集です。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インフレに忍耐強く対応、年末まで利下げない可能性=

ワールド

NATO、ウクライナ防空強化に一段の取り組み=事務

ビジネス

米3月中古住宅販売、前月比4.3%減の419万戸 

ビジネス

米新規失業保険申請、21万2000件と横ばい 労働
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 4

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 5

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 6

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲…

  • 7

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 8

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 9

    インド政府による超法規的な「テロリスト」殺害がパ…

  • 10

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中