最新記事

人種対立

写真撮影で「怪しいOKサイン」を出したテーマパークのスタッフが解雇

'Despicable Me' Actor Fired for Making 'OK' Symbol While Posing With 6-Year-Old Girl at Universal Orlando Resort

2019年10月3日(木)16時40分
カレダ・ラーマン

動画を見つけた数日後、夫妻はこの問題について、ユニバーサル・オーランド・リゾートに連絡したが、「調査中」と言われた。1か月後、再びユニバーサル側に連絡すると、「機密扱いだから教えられない」と言いつつ、ギフトカードと無料チケットの送付を申し出た。ユニバーサルが顧問弁護士を通じて返事をしてきたのを受けて、夫妻も弁護士を雇う。ティフィニーは、ほかの家族が同じような目に遭うことがないように「変化をもたらしたい」と語っている。

本誌の取材に対し、ユニバーサル・オーランド・リゾートの広報担当はOKサインをしたスタッフをクビにしたことを認めた。

「この家族が経験したことは、他のお客様には決して経験させたくないことです」と広報担当のトム・シュルーダーはコメントした。「とうてい許容できず、申し訳なく思っています。同じことが二度と起こらないよう、対策を講じます」

「問題のスタッフはもう当社では働いていません。今後もジンガー家と連絡を取り続け、和解のための努力をしていきます」

反差別団体が「ヘイトの象徴」と認定

OKサインの旗色は悪くなるばかりだ。この件のわずか1週間前には、ニュージーランドのクライストチャーチにあるモスクで銃を乱射して51人を殺害した罪に問われたオーストラリア人の被告が、逮捕後の出廷の際に「OK」サインをしてみせている。

9月下旬には、反差別を掲げるユダヤ系団体の名誉毀損防止連盟(ADL)が、このOKサインを「白人至上主義者をはじめとする極右過激主義者が頻繁に使うヘイト(憎悪)の象徴」として、データベースに登録した。ADLはこのジェスチャーについて、「ホワイト・パワー」を意味するシンボルとして使われていると説明している。

ADLのオンライン・データベース「ヘイト・オン・ディスプレイ」には、OKサイン以外にも、人種差別の悪名高いシンボルが数多く登録されている。白人至上主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)のガウン、ナチスの鉤十字などだ。

ADLは2000年以降、司法当局や学校をはじめとする多くの人々が、過激主義の活動に使われるサインを認識できるようにするために、独自のデータベースを作成して発表している。現在、データベースに登録されたシンボルは200近くに達している。

(翻訳:森美歩)

20191008issue_cover200.jpg
※10月8日号(10月1日発売)は、「消費増税からマネーを守る 経済超入門」特集。消費税率アップで経済は悪化する? 年金減額で未来の暮らしはどうなる? 賃貸、分譲、戸建て......住宅に正解はある? 投資はそもそも万人がすべきもの? キャッシュレスはどう利用するのが正しい? 増税の今だからこそ知っておきたい経済知識を得られる特集です。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 2

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子供を「蹴った」年配女性の動画が大炎上 「信じ難いほど傲慢」

  • 3

    あまりの激しさで上半身があらわになる女性も...スーパーで買い物客7人が「大乱闘」を繰り広げる動画が話題に

  • 4

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 5

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 5

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 9

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中