最新記事

女性問題

ジョージア州中絶規制が意外な余波 ディズニー、Netflixなどメディア各社が事業再考を表明

2019年5月31日(金)11時50分

米メディア大手のワーナーメディアとNBCユニバーサルは、南部ジョージア州で新たな人工妊娠中絶規制法が施行されれば、同州での事業を見直すと発表した。写真は規制法に反対する女性ら。アトランタで21日撮影(2019年 ロイター/CHRIS ALUKA BERRY)

米AT&T傘下のメディア大手ワーナーメディアとコムキャスト傘下のNBCユニバーサルは30日、南部ジョージア州で新たな人工妊娠中絶規制法が施行されれば、同州での事業を見直すと発表した。

メディア関連大手ではこれまでに、ウォルト・ディズニーとネットフリックスも同様の方針を示している。

ジョージア州のケンプ知事(共和党)は今月、医師が胎児の心音を確認できるようになった時点からの中絶を禁止する法案に署名。裁判所が差し止めなければ来年1月1日に発効する。

ワーナーメディアは「新たな中絶規正法が施行されることになれば、ジョージア州を新たな作品の制作拠点とすることを再考する」と表明した。

NBCユニバーサルも、同法が導入されれば「将来のコンテンツ制作場所を巡る意思決定に大きく影響する」とした。

ディズニーのボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)は昨日、ジョージア州で新たな人工妊娠中絶規制法が施行された場合、同州で働くことを望まない人が多数出るという見通しから、同州での撮影を続けるのは「極めて困難」になるとの考えを述べた。

ネットフリックスも28日、ジョージア州での映画・テレビ制作向けの投資を「再考する」と発表した。

アメリカ映画協会によると、ジョージア州では9万2000人超が映像産業に従事しており、同法が施行されれば、影響が及ぶ可能性がある。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20240423issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中