最新記事

香港

現金が空から降ってくる!? 香港で現金をばら撒いた男性逮捕

2018年12月18日(火)13時30分
松丸さとみ

South China Morning Post-YouTube

師走の街に空から現金が

12月15日、香港の街で空から現金の雨が降ってきた。しかも映画の撮影ではなく、おもちゃのお金でもない。

香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)(15日付)によると、現金の雨が降ってきたのは香港の貧しい地域シャムスイポー(深水埗)地区で、場所は地下鉄駅からも近い福華街だ。九龍島に位置し、香港の下町と言われている。

現金をばら撒いたのは、24歳の男性、ウォン・チンキット(黄鉦杰)氏だ。仮想通貨の会社エポック・クリプトカレンシーのオーナーで「若きコインの達人」と呼ばれているという。同社はフェイスブック・ページで、現金をばらまく様子をライブ配信した。この動画の中で、カメラに向かって話している黒いパーカーを着た男性がウォン氏とみられている。

SCMPによると、ビデオの中でウォン氏がカメラに向かって話しているのは、「お金が空から降ってくるなんて、ここにいるみんなは信じられるかな」という内容だ。言い終わったタイミングで周りの人たちがどよめき、カメラが空に向けられると、紙幣がひらひらと舞い落ちる様子が映し出される。




シンガポールのニュース・チャンネル、チャンネル・ニュース・アジアによると、警察はこの後、現場から6000香港ドル分(約8万4000円分)の100香港ドル紙幣(約1400円)を回収した。ということはわずか60枚に過ぎないことになり、ほとんどは通行人に拾われてしまったようだ。ビデオには、通りかかった人たちが夢中になってお札を拾う様子も映っている。警察は、拾った現金を警察に届け出るよう呼びかけていたという。

SCMPによるとウォン氏は15日に現金をばら撒いた後、再びフェイスブック・ページにビデオを投稿。現金のばら撒きについて「貧しい人を救うために金持ちから奪っている」と説明したという。さらに「僕を責めないで。なんでお金が空から降ってくるのかなんて僕だって知らない」と答えたと言い、香港のどこで「不思議な現象」がみたいか、教えて欲しいとビデオの視聴者に問いかけたという。

逮捕後パトカーからもライブ配信

SCMPは翌16日夜の記事で、ウォン氏が同日午後4時に逮捕されたと伝えた。ウォン氏は16日にミール・クーポン(食事用クーポン)を配ると予告しており、配布に現れたところを警察が拘束したものだ。公共の秩序を乱したためだという。有罪となれば、罰金5000香港ドルと禁固12カ月を科される可能性がある。なお、中国や韓国、日本などの仮想通貨に関するニュースを配信しているアジア・クリプト・トゥデイは、「ミール・クーポン」とは現金の湾曲表現だと説明している。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米英欧など18カ国、ハマスに人質解放要求 ハマスは

ビジネス

米GDP、第1四半期は+1.6%に鈍化 2年ぶり低

ビジネス

米新規失業保険申請5000件減の20.7万件 予想

ビジネス

ECB、インフレ抑制以外の目標設定を 仏大統領 責
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中