最新記事

中国

GAFAのうち2社は習近平のお膝元

2018年12月27日(木)12時52分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

習近平のお膝元にいるFacebook Dado Ruvic-REUTERS

GAFAが個人情報を抜き取っているなどの理由から若者離れが加速しているという。そのうちFacebookとAppleのCEOは習近平のお膝元にいる。スノーデン事件の直後からだ。

GAFAの若者離れ

GAFA(ガーファ)とはG(Google)、A(Apple)、F(Facebook)、A(Amazon)の頭文字を取ったもので、それぞれ検索エンジン、デジタルデバイス、SNSおよびネットショップと、市場を席巻しているアメリカのIT企業だ。しかし、たとえば今年3月にFacebookの個人情報が再び大量に流出した事件などを受けて、若いユーザーを中心としてGAFA離れが広がっているという。ユーザーの個人情報がいかなる目的で悪用されるか分からないからだ。

特にFacebookはGAFMA(Google、Amazon、Facebook、Microsoft、Apple)(ガフマ)にも、FANG(Facebook、Amazon、Netflix、Google)(ファング)にも、さらにはFAAA(Facebook、Alibaba、Amazon、Alphabet)にも、どこにでも顔を出しているヒット企業。

そのFacebookが大量の個人情報を流出させたとなれば、アメリカだけでなく、世界のGAFAに対する信用度はいきなり落ちていくだろう。

もちろんGAFAなどの大企業がアメリカのIT界を牛耳っていて、若い新しいベンチャー企業の誕生を阻害しているというさまざまな要因もアメリカにはあるだろうが、筆者が興味を持つのは、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOもAppleのティム・クックCEOも、習近平の母校である清華大学経済管理学院顧問委員会の委員であるという事実である。

スノーデン事件直後における習近平の素早い動き

それも2013年6月に起きたスノーデン事件直後のことだ。米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン氏が「米国家安全保障局(NSA)が米電話会社の通話記録を毎日数百万件収集していた」ことが明らかになった。それは電話だけでなく、メールやチャット、ビデオ、保存データなど、すべての個人情報に及ぶという。

最初に報じたのは英紙ガーディアンとワシントンポストで、それによれば米大手IT企業がNSAによる個人情報収集に協力しており、日本を含む世界38の大使館や代表部、ドイツのメルケル首相、欧州連合や国連本部が盗聴・監視対象だった疑惑も浮上した。日本の政治家らも例外ではない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 2

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子供を「蹴った」年配女性の動画が大炎上 「信じ難いほど傲慢」

  • 3

    あまりの激しさで上半身があらわになる女性も...スーパーで買い物客7人が「大乱闘」を繰り広げる動画が話題に

  • 4

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 5

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 5

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 9

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中