最新記事

イラン核合意

トランプ、イランに警告「さらに脅せば悲惨な結末招く」

2018年7月24日(火)08時47分

 7月23日、トランプ米大統領(写真)は、イランが米国を一段と脅かすようなら、「ほとんどの国が過去に経験したことのない規模の」悲惨な結末を招くリスクを警告した。5月撮影(2018年 ロイター/Carlos Barria)

トランプ米大統領は、イランが米国を一段と脅かすようなら、「ほとんどの国が過去に経験したことのない規模の」悲惨な結末を招くリスクを警告した。

22日にツイッターに投稿した。数時間前には、イランのロウハニ大統領がトランプ氏に、敵対的な政策は「あらゆる戦争のもと」につながる恐れがあると強調していた。

トランプ氏は、ロウハニ氏に宛てたメッセージで「米国を決して再び脅してはならない。さもなくばほとんどの国が歴史上経験したことのない規模の結末を招く。暴力や死に関する正気の沙汰と思えない発言を支持することはもはやない。注意せよ」と述べた。

トランプ氏のツイッターへの投稿を受けて、イランのザリフ外相もツイッターで反撃。トランプ氏とまったく同じように米国に対して「注意せよ」と大文字で書き込んだ。

ロウハニ氏は22日、自国の外交官らの会合で「イランとの平和はあらゆる平和の母で、イランとの争いはあらゆる戦争の母だと、米国は認識すべきだ」と述べた。国営イラン通信(IRNA)が伝えた。

ホワイトハウスの声明によると、ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は「イランがマイナス方向の動きに出れば、ほとんどの国が過去に支払ったことのないような対価を支払うことになると、トランプ氏が語った」と述べた。

また、ポンペオ米国務長官も22日、イランの指導者は腐敗し不正な蓄財を行っていると述べ、イランは政府というよりも「マフィア」のようなものによって運営されていると批判した。「長く無視されてきた国民の声を米国は支持していく」とも述べた。

タスニム通信によると、イラン政府はポンペオ氏の発言について、国内問題への干渉と指摘した。

23日の原油相場は、両国間の緊張激化を受け供給懸念が広がり上昇した。北海ブレント先物が一時、2%近く値上がりして1バレル=74.50ドル。米WTI原油先物も同69.31ドルまで上昇する場面があった。



[ワシントン/アンカラ 23日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米上院、ウクライナ・イスラエル支援法案可決 24日

ビジネス

米、競業他社への転職や競業企業設立を制限する労働契

ワールド

ロシア・ガスプロム、今年初のアジア向けLNGカーゴ

ワールド

豪CPI、第1四半期は予想以上に上昇 年内利下げの
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 8

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中