最新記事

米ロ関係

米大陪審、大統領選介入疑惑でロシア情報当局12人を起訴 米ロ首脳会談に影響も

2018年7月14日(土)11時30分

7月13日、米司法省は2016年の米大統領選介入疑惑で、連邦大陪審がロシア軍情報部の当局者12人を起訴したと発表した。写真は13日、起訴について発表するローゼンスタイン米司法副長官(2018年 ロイター/Leah Millis)

米司法省は13日、2016年の米大統領選介入疑惑で、連邦大陪審がロシア軍情報部の当局者12人を起訴したと発表した。同大統領選で民主党候補だったヒラリー・クリントン氏や民主党のコンピューターネットワークをハッキングしたとされる。

起訴はトランプ政権のロシア疑惑を調べるモラー特別検察官の捜査によるもの。トランプ米大統領は週明け16日にヘルシンキでロシアのプーチン大統領との会談を控えている

記者会見で12人の起訴を発表したローゼンスタイン司法副長官は、今回の起訴に米国人は含まれていないと明らかにした。現在訪英中のトランプ大統領には週初に起訴について伝えたという。

司法省は、ロシアの軍参謀本部情報総局(GRU)の当局者らが「民主党の議会選委員会や全国委員会、クリントン氏の選挙運動に関わるコンピューターネットワークをハッキングしようとする一連の組織的な取り組みに関与した」とし、入手した情報をインターネット上で公開したという。

モラー特別検察官はこれまで、トランプ陣営関係者らを起訴しているが、介入疑惑でロシア政府関係者を起訴したのは初めて。

トランプ大統領は起訴発表の前、モラー特別検察官の捜査が「不正に仕組まれた魔女狩り」で米ロ関係を損なうものだと主張していた。

起訴の発表を受け、ロシア外務省は起訴された12人が軍情報部と関連していた確証やハッキング行為に関与していた証拠はないとのコメントを発表。週明け16日にヘルシンキで開催される米ロ首脳会談のムードを台無しにする試みと批判した。

[ワシントン 13日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20240423issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中