チョコ原料の甘くない現実 フェアトレード制度はカカオ農家を救えるか?
2018年5月5日(土)18時00分
スイスの食品大手ネスレは、100%の認証カカオ豆調達をコミットしていないが、生産性の高い種子を提供したり、農家への研修実施によって、カカオ豆生産体制の強化に努めていると述べる。
だが、多くの生産農家は、融資を得る手段もなく、新しい農業手法や研修の実施にも苦労していると、独シンクタンク、Sudwind研究所のFriedel Hutz-Adams氏は反論する。
仮に農家が生産量の増加に成功しても、それにより価格はさらに下落する可能性が高い。コートジボワールは、まさにこれを理由に、今季は収穫量の多いカカオ種子の流通をやめる方針だ。
「もしたくさんの農家が生産性を向上すれば、膨大な過剰生産を招き、市場が崩壊してしまう」と、Hutz-Adams氏は指摘した。
(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)
Ana Ionova
[ロンドン 19日 ロイター]
Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます
2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
今、あなたにオススメ
WorldVoice
PICK UP
新着