最新記事

シリア情勢

中途半端だったシリアへのミサイル攻撃

Weapons Prompts Missile Volley From Trump

2018年4月16日(月)18時45分
コラム・リンチ、エリアス・グロル、ロビー・グレイマー

もし化学兵器の原料となる前駆物質の貯蔵施設を攻撃で破壊すれば、サリンの量を減らせる可能性はある、と米ジョージ・メイソン大学の生物兵器防衛大学院のグレゴリー・コブレンツ准教授は言う。だがそれでも「塩素ガスが入った樽爆弾は止められない。塩素ガスは一般に流通しており、シリア政府は大っぴらに輸入できる」、と彼は指摘する。

4月14日に開かれた国連安全保障理事会の緊急会合は、アメリカとロシアの代表による激しい非難の応酬になった。ロシアのワシーリー・ネベンジャ国連大使は、米英仏3カ国によるシリア攻撃を批判した。

「これは外交の破壊行為だ。主要な核保有国がやったのだから、ただの破壊行為では済まされない」、とネベンジャは言った。だがロシアが提出したシリア攻撃を非難する決議案への賛成は、安保理15カ国中で採択に必要な9カ国に届かず、反対多数で否決された。

国連のアントニオ・グテレス事務総長は、今回の攻撃は安保理決議を経ていないため国際法に違反する可能性がある、と含みを持たせた。

「国連憲章は非常に明確だ。国連安保理には、国際平和と安全を維持する一義的な責任がある」と、グテレスは4月13日に声明を発表した。「安保理の理事国が結束して責任を果たすよう求める」

米共和党議員の大半は、今回の攻撃を称賛した。だがトランプは3月29日の演説で突然、シリアから米軍を早く撤退させたいと言ったばかりだったため、一環したシリア政策をもたず、米議会の承認も経ずに攻撃に踏み切った、という批判も一方にはある。

(翻訳:村井裕美、河原里香)


From Foreign Policy Magazine

今ならうるせぇトリのスタンプGET!

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

ニュース速報

ビジネス

ヘッジ付・オープン外債増加=明治安田生命運用計画

ワールド

トランプ氏が核合意破棄なら「重大な結果」招く=イラ

ビジネス

焦点:昆虫農場に熱視線、世界の「タンパク質危機」救

ワールド

中国の北朝鮮への燃料輸出、3月も低水準

MAGAZINE

特集:テロ時代の海外旅行

2018-5・ 1号(4/24発売)

人気観光地でテロが起き、行き先選びに悩む時代── 「ゼロリスク」を求め過ぎる日本人のための海外旅行ガイド

人気ランキング

  • 1

    「いい加減にしないと暴動起こす」北朝鮮国民の不満が爆発寸前

  • 2

    日本人は旅行が下手だ(テロ時代の海外旅行術)

  • 3

    キャサリン妃第3子懐妊で、英王位継承順位はこう変わる!

  • 4

    コンドームなんてもういらない!? 理想の男性用ピル…

  • 5

    世界初のペニスと陰のう移植手術が成功、性機能も戻る

  • 6

    「何かがおかしい...」国のやり方を疑い始めた北朝鮮…

  • 7

    安倍首相の対北政策と日米首脳会談を酷評する中国

  • 8

    こんなエコノミーは嫌だ! 合理的すぎる座席で、機…

  • 9

    「僕はゲイリー19歳、妻は72歳」 青年が恋に落ちた5…

  • 10

    中国で神妙だった金正恩氏、帰国して「偉そうな態度…

  • 1

    「僕はゲイリー19歳、妻は72歳」 青年が恋に落ちた53歳上の女性とは

  • 2

    「いい加減にしないと暴動起こす」北朝鮮国民の不満が爆発寸前

  • 3

    「何かがおかしい...」国のやり方を疑い始めた北朝鮮の人々

  • 4

    こんなエコノミーは嫌だ! 合理的すぎる座席で、機…

  • 5

    「ヒトラーが南米逃亡に使った」はずのナチス高性能…

  • 6

    日本人は旅行が下手だ(テロ時代の海外旅行術)

  • 7

    「家賃は体で」、住宅難の英国で増える「スケベ大家」

  • 8

    金正恩は「裏切り」にあったか......脱北者をめぐる…

  • 9

    おどろおどろしい溶岩の世界!?木星の北極の正体が…

  • 10

    ジェット旅客機の死亡事故ゼロ:空の旅を安全にした…

  • 1

    日本の空港スタッフのショッキングな動画が拡散

  • 2

    ユーチューブ銃撃事件の犯人の奇妙な素顔 「ビーガン、ボディビルダー、動物の権利活動家」 

  • 3

    「家賃は体で」、住宅難の英国で増える「スケベ大家」

  • 4

    金正恩が習近平の前で大人しくなった...「必死のメモ…

  • 5

    「僕はゲイリー19歳、妻は72歳」 青年が恋に落ちた5…

  • 6

    ヒトの器官で最大の器官が新たに発見される

  • 7

    「パスタは食べても太らない」──カナダ研究

  • 8

    2度見するしかない ハマってしまった動物たちの異様…

  • 9

    こんなエコノミーは嫌だ! 合理的すぎる座席で、機…

  • 10

    ポルノ女優がトランプとの不倫を暴露──脅されながら…

グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ 日本再発見 シーズン2
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版

SPECIAL ISSUE 丸ごと1冊 プーチン

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2018年4月
  • 2018年3月
  • 2018年2月
  • 2018年1月
  • 2017年12月
  • 2017年11月