最新記事

性スキャンダル

ポルノ女優がトランプとの不倫を暴露──脅されながらも「正義」の鉄槌

2018年3月26日(月)17時17分
ジェイソン・ルミエール

ロングアイランドのストリップクラブ「ゴシップ・ニューヨーク」に出演したダニエルズ(2月23日) Eduardo Munoz-REUTERS

<これでトランプ政権の勢いは止まるのか? 一人のポルノ女優が、トランプの倒錯した性癖と暴力と金による口封じの手口を全米に告発>

ドナルド・トランプ米大統領と不倫関係にあったとされるポルノ女優ストーミー・ダニエルズ(本名ステファニー・クリフォード)が日曜夜(3月25日)、米CBSの報道番組「60ミニッツ」に出演した。トランプとの間に本当に何があったのかを話すとあって、全米の注目が集まった。

番組でダニエルズは、過去にトランプとの関係を暴露しようとしたときには見知らぬ男から脅迫を受けた、と語った。今回は、トランプの弁護士から2000万ドルの損害賠償を請求すると脅された。そんなリスクを冒しても、世間はこの話を聞くべきだと、ダニエルズは言った。

ダニエルズによれば、トランプと不倫関係にあったのは2006~2007年。2006年7月に米カリフォルニア州タホ湖で著名人が参加したゴルフトーナメントの際にトランプと性的関係を持ったという。当時ダニエルは27歳、トランプは60歳。トランプはメラニアと結婚してわずか1年、息子のバロンも生まれたばかりだった。

トランプは、雑誌の表紙に写真が載ったことがあると自慢したという。それが気に入らなかったダニエルズは、トランプに後ろを向いてズボンを下ろし、彼女が跨がれるよう四つん這いになれと言った。トランプは言われた通りにした。ダニエルズは、その雑誌でトランプの尻を叩いた。「ジョークよ」と、彼女は言った。

セックス中に娘を思い出す?

「それから先は、彼は完全に別人になった」と、ダニエルズは言った。「彼は自慢話するのをやめて、お互いにして欲しいことを求め合った。ずっとまともになったの」

その最中、トランプは長女イヴァンカの話をし始めた、とダニエルズは言う。「君は素晴らしい。娘を思い出すよ」「賢くて美しくて手ごわい。君が好きだ、好きだ」

コンドームは使ったのか司会者が聞くと、「いいえ」と、ダニエルズは答えた。「頼みもしなかった」

ダニエルズが家族のことを尋ねると、トランプは肩をすくめ、「心配しなくていい。妻とは寝る部屋も別々だ」と答えたという。

ダニエルズは2011年にもこの関係をメディアに話そうとした。だが幼い娘を連れてジムに行こうとしたとき、ラスベガスの駐車場で見知らぬ男に声をかけられた。「トランプに構うな。雑誌には喋るな」と、男は言った。最後に覗き込むように女の子を見て、「きれいな子だ。ママの身にもしものことがあったら大変だな」と言ったという。

今回のインタビューに応じたことで、ダニエルズはトランプから巨額の支払いを求められる可能性がある。今年1月に報じられたところでは、ダニエルズはトランプ側から13万ドルの口止め料を受け取っている。関係を口外すれば1回につき100万ドルの損害賠償を求める訴訟を起こしているのだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:日銀会合直後の為替介入、1年半前の再現巡

ビジネス

独IFO業況指数、4月は予想以上に改善 サービス業

ワールド

インドネシア中銀、予想外の0.25%利上げ 通貨下

ワールド

再送-イスラエル、近くラファに侵攻 国内メディアが
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 6

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 9

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 10

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中