最新記事

核戦争

核爆弾の直撃を受ければシェルターもトランプを守れない

2018年2月14日(水)16時21分
ジェシカ・クウォン

自分も死ぬと思えば、トランプも北朝鮮を挑発するをやめるかも? Yuri Gripas-REUTERS

<トランプには、アメリカ大統領用の各地シェルターのほか、私有のシェルターも複数ある。それでも生き延びられるとは限らない>

ホワイトハウスからフロリダの別荘マールアラーゴまで、ドナルド・トランプ米大統領にはいつでも飛びこめる核シェルターがたくさんある。だがいかに頑丈に作られたシェルターでも、核ミサイルの直撃を受けたら生き残れない。

「核爆弾の爆風と熱風から身を守る術などない」と、核シェルターについての著書があるケネス・ローズはBBCに語った。

北朝鮮は、アメリカの明白な脅威になりつつある。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は昨年11月のミサイル実験の後、ワシントンを含む本土アメリカのどこにでも届く大陸間弾道弾ミサイル(ICBM)が完成したと宣言した。

アメリカではグーグルで「核攻撃を生き残るには」という検索ワードが急上昇した。だが、少なからぬ専門家は、核攻撃から生き残るのは、世界のどこにいても難しいと言う。

生存に望みをかけた避難計画

核シェルターが頼りにならないとしても、米政府当局はトランプと少数の重要閣僚らの避難計画を作っている。第一撃を生き延びられた場合に安全な場所から国家を式するためだ。

「指揮系統が乱れたら、完全なカオスになる」と、トゥルーマン大統領図書館のランディ・ソーウェルはBBCに語った。

ホワイトハウスの地下などにある政府のシェルターのほか、トランプは自前のシェルターもいくつか持っている。マールアラーゴの別荘やニューヨーク州ウィンチェスターのセブン・スプリングスの邸宅など歴史的な建物を購入したときに付いていたものだ。トランプが所有するウエスト・パームビーチのゴルフコースにも、ここがまだ米政府所有の土地だった1940年代に作られたシェルターがある。

トルーマンは1950年代、大統領府に連邦民間防衛本部を作り、核戦争は必ずしもこの世の終わりとは限らないと国民を安心させようとした。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

スウェーデン中銀、5月か6月に利下げも=副総裁

ビジネス

連合の春闘賃上げ率、4次集計は5.20% 高水準を

ビジネス

金利上昇の影響を主体別に分析、金融機関は「耐性が改

ビジネス

中国人民銀行、与信の「一方的な」拡大けん制 量より
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 3

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲深くも「勇ましい」空軍のサルマ王女

  • 4

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 5

    パリ五輪は、オリンピックの歴史上最悪の悲劇「1972…

  • 6

    人類史上最速の人口減少国・韓国...状況を好転させる…

  • 7

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 8

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 9

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 10

    アメリカ製ドローンはウクライナで役に立たなかった

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    温泉じゃなく銭湯! 外国人も魅了する銭湯という日本…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中