最新記事

シリア内戦

シリアの子供たちは、何度化学兵器で殺されるのか

2017年4月6日(木)16時20分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

攻撃で呼吸障害を起こして病院で治療を受ける子供たち BBC News/YOUTUBE

<シリアの反政府勢力の支配地域で、化学兵器が使用された疑いが強まっている。国際社会は、今度こそアサド政権の暴挙を止めることができるのか>

シリアでまた、民間人に化学兵器が使われた疑いが濃厚になっている。

4月4日、「大きな音がして、家の外に出てみたら毒ガスに襲われた」と、生き残った住民はテレビに語った。

死者はこれまでに70人、数百人が手当てを受けている。多くの子供が犠牲になった。

シリア北西部イドリブ県は、アサド政権と6年間にわたる内戦を続けている反政府勢力の支配地域。欧米各国はすぐにアサド政権の仕業だと非難したが、アサド政権は反政府勢力を非難している。シリアを支持してきたロシアも、反政府勢力の武器庫をシリア軍が空爆したところ、その中に化学兵器が隠されていた、と主張している。

【参考記事】アサドの化学兵器使用はオバマのせい──トランプ政権

シリアではこれまでもたびたび化学兵器が使用されてきた。2013年8月には、首都のダマスカス郊外でサリンを使った攻撃があり、数百人の民間人が死んだ。シリアはこのとき化学兵器をすべて破棄したはずだったが、アサド政権が今まで隠し持っていた可能性がある。

アメリカのニッキー・ヘイリー国連大使は国連安保理の緊急会合で、幼児が横たわる写真を掲げて「この写真から目を背けることはできない」と語り、アメリカ単独での軍事行動も辞さない決意を示した。ドナルド・トランプ米大統領は、アサド政権が「いくつもの一線」を越えたと非難している。

だが2013年以前に、アサド政権が化学兵器を使用して「レッドライン(最後の一線)」を越えたら軍事介入をする、と警告していたバラク・オバマ前政権も結局、何もしなかった。その後も化学兵器や通常兵器による人殺しは続いている。今度は何かが変わる、という保障はない。

chemical170406-01.jpg

ソーシャルメディアで配信された画像。攻撃を受けて多くの住民が横たわっている Social Media Website / REUTERS TV


chemical170406-02.jpg

ソーシャルメディアで配信された画像。被害を受けた住民には子供も含まれている Social Media News / Reuters TV


chemical170406-03.jpg

国連安保理の緊急会合で犠牲者の写真を掲げるニッキー・ヘイリー米国連大使 Shannon Stapleton-REUTERS

MAGAZINE

特集:日本人が知らない自動運転の現在地

2019-2・19号(2/12発売)

都市と暮らしと経済を根本から変えるテクノロジー 自律走行車の完成が間近まで迫っている

人気ランキング

  • 1

    ブラック・ユーモアを忘れた日本は付き合いにくい

  • 2

    習近平が仕掛ける「清朝」歴史戦争

  • 3

    貧困家庭の女子が人生を見限る「自己選抜」......「大学には行かれない」「子どもは欲しくない」

  • 4

    【動画】子犬の「返品」を断られて激高し、殺してし…

  • 5

    『ボヘミアン・ラプソディ』を陰で支えた、クイーン…

  • 6

    「制服」少女たちが受ける不快すぎる性的嫌がらせ

  • 7

    ホッキョクグマ50頭が村を襲撃、非常事態を発令

  • 8

    口に入れたおしゃぶりをテープで固定された赤ちゃん

  • 9

    小学校がHIV感染児童14人を強制退学 インドネシア、…

  • 10

    13.48秒――世界最速の7歳児か 「ネクスト・ボルト」…

  • 1

    13.48秒――世界最速の7歳児か 「ネクスト・ボルト」驚異の運動神経をNFL選手も絶賛

  • 2

    ホッキョクグマ50頭が村を襲撃、非常事態を発令

  • 3

    【動画】子犬の「返品」を断られて激高し、殺してしまった女性にネットが炎上

  • 4

    『ボヘミアン・ラプソディ』を陰で支えた、クイーン…

  • 5

    シロクマに包囲され逃げられないロシア観測隊、番犬…

  • 6

    「制服」少女たちが受ける不快すぎる性的嫌がらせ

  • 7

    地球温暖化で鳥類「血の抗争」が始まった──敵を殺し…

  • 8

    炎上はボヘミアン・ラプソディからダンボまで 韓国…

  • 9

    アリアナのタトゥー炎上と日本人の「不寛容」

  • 10

    南極の氷河の下に巨大な空洞が発見される

  • 1

    13.48秒――世界最速の7歳児か 「ネクスト・ボルト」驚異の運動神経をNFL選手も絶賛

  • 2

    ホッキョクグマ50頭が村を襲撃、非常事態を発令

  • 3

    【動画】子犬の「返品」を断られて激高し、殺してしまった女性にネットが炎上

  • 4

    インドネシアの老呪術師が少女を15年間監禁 性的虐…

  • 5

    小説『ロリータ』のモデルとなった、実在した少女の…

  • 6

    『ボヘミアン・ラプソディ』を陰で支えた、クイーン…

  • 7

    エロチックなR&Bの女神が降臨 ドーン・リチャードの…

  • 8

    口に入れたおしゃぶりをテープで固定された赤ちゃん

  • 9

    恋人たちのハグ厳禁! インドネシア・アチェ州、公…

  • 10

    シロクマに包囲され逃げられないロシア観測隊、番犬…

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
「ニューズウィーク日本版」編集記者を募集
デジタル/プリントメディア広告営業部員を募集
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年2月
  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月