最新記事

ライフログ

「心の動き」も記録するウェアラブル端末の進化形

2016年6月6日(月)15時30分
geared (ギアード)

<身体の運動を記録する、いわゆる活動量計は徐々に浸透してきているが、さらに「心の動き」もログを取るガジェット、ZENTAが登場した>

 ロンドンのメーカー VINAYA が開発している ZENTA はリストバンド型のライフログガジェットです。このカテゴリーの一般的なモデル同様に、歩数やアクティビティ、睡眠といった情報を記録しますが、さらにユーザーの感情の状態をも測定してしまうのが面白いところ。メーカーは「世界で初めてバイオメトリクスセンサーを搭載したウェアラブルデバイス」とうたっています。

geaed0604c.jpg

 デバイスは心拍、呼吸、脈拍、皮膚電位活動、血中の酸素数値や飽和度、皮膚温度、声などなどを測定。こうした身体の情報だけでなく、スマートフォンとシンクしてその利用状況もトラッキングするそう。これらのデータを複合し、ユーザーの感情の起伏を読み解くのです。ディープラーニング的なアルゴリズムによって、使えば使うほどデバイスのユーザー理解が深まるようです。

geaed0604b.jpg

 ストレスを感じている、ハッピーな気分、不機嫌......といったメンタルの状態を測定し、ビジュアルやグラフによって明快に示してくれます。また、過度にストレスがかかった時などにスマホに通知やアラートを送ることも可能。

 ちょっと変わったところでは、リラックスして心を落ち着かせるための瞑想や呼吸法にユーザーをスムーズに導いてくれる機能も備えています。注意力散漫にならないよう、スマホからの通知をフィルタリングできるという機能もおもしろいです。スマホもストレスの温床になりうる、ということですね。

 ZENTA はindiegogo でファンディング中で、製品の完成は2017年の予定(価格$119〜)。どれだけ正確に感情を読み解き、そしてどれだけの実用性があるのかは正直なところ、まだ未知数でしょう。しかし、心の動きも記録するというのは、ライフログガジェットとしての正しい進化のあり方なのではないでしょうか。



執筆:Geared(Facebookページ)

○関連記事(ギアード)
シューズの踵に付けるだけ。ランニングフォームを解析してくれる runScribe

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7外相、イスラエルとイランの対立拡大回避に努力=

ワールド

G7外相、ロシア凍結資産活用へ検討継続 ウクライナ

ビジネス

日銀4月会合、物価見通し引き上げへ 政策金利は据え

ワールド

アラスカでの石油・ガス開発、バイデン政権が制限 地
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中