最新記事

ライフスタイル

ビーチでトップレス姿が減少、その理由とは

2019年07月30日(火)18時30分
松丸さとみ

フランス女性がビーチでトップレスになるのはわずか19% Daniel Munoz (AUSTRALIA)- REUTERS

<現代のフランス人女性のうち、ビーチでトップレスになるのはわずか19%だったということが、最新の調査で明らかになった......>

体への批判やセクハラ、暴力への懸念

現代のフランス人女性のうち、ビーチでトップレスになるのは5人に1人弱だということが、最新の調査で明らかになった。1984年の同調査では、フランス人女性の43%がビーチでトップレスになると答えていたという。かつてフランスのビーチでは当たり前のように見られたと言われる女性のトップレス姿だが、トップレスになる(もしくはならない)理由からは、その時代の背景がうかがえる。

この調査は、フランスの調査会社IFOPが行なった。仏国際ニュースチャンネルのフランス24によると、IFOPは4月、フランス、イタリア、スペイン、ドイツ、英国の女性5026人を対象に、日光浴についてオンラインで調査を行なった。このほど発表された結果によると、50歳未満のフランス人女性のうち、ビーチで日光浴する際にトップレスになる、と答えた人の割合は、わずか19%だった。この数字は、10年前では28%、1984年では43%だった。

18〜25歳の女性の場合、トップレスにならない理由として、ハラスメントが心配、自分の体を批判されるのがイヤ、男性からいやらしい目でジロジロ見られるのがイヤ、などが上がった。またフランス人女性全体としてトップレスにならない最大の理由は、紫外線による悪影響だった。

一方でフランスのウェブニュース「ザ・ローカル」は、25歳未満の女性の場合、51%が、攻撃(言葉での攻撃、身体的・性的な攻撃)の対象となるのが怖いから、との理由を挙げたとしている。IFOPのフランソワ・クラウス氏は、「#MeToo効果がビーチにも現れている」と説明している。

女性の解放をトップレスで示した時代とスマホの今

昔は、トップレスになってもハラスメントなどを受けなかったのかというと、そうではないらしい。ザ・ローカルによると、社会学者のジャニーヌ・モシュ=ラヴォ氏は仏日刊紙リベラシオンに対し、トップレス女性に対するハラスメントは「1960〜70年代から常にあった」と話す。

しかしそれでも当時の女性たちがトップレスになったのは、大きなわけがあった。同氏によると、1960〜70年代の女性たちは、家父長制の社会や性的な制約から自分たちは解放された、と示すためにトップレスになった。60年代にアメリカで始まった、いわゆる「ウーマンリブ」だ。しかし今の世代の女性たちは、すでに十分解放されていると感じているため、トップレスになってそれを証明する必要性を感じないのだとモシュ=ラヴォ氏は指摘する。

同氏はさらに、現代ではスマートフォンで写真に取られたり、SNSで拡散されたりするのを懸念しているために、トップレスを避ける女性もいると説明する。同氏が行なっている調査でも、フランスの10代の女性は海水浴やプールで肌を隠す傾向にあり、ワンピース水着を着ている女性の割合も上の世代よりも高いという。

なお地域別では、フランス北部の方が南部よりトップレスになる人は少なく、南仏のプロバンス=アルプ=コートダジュールでは36%がトップレスになると回答したのに対し、北部沿岸地域のオー=ド=フランスではわずか7%だった。

国別では、もっとも少なかったのがイタリアの15%で、英国19%、フランス22%、ドイツ34%と続く。もっとも多かったのはスペインの48%で、他の4カ国がトップレスになる女性の割合が減少傾向にある中で、唯一、変化がなかった。

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

新型ウイルス、まずは中国経済注視 必要なら追加緩和

ビジネス

中国人民銀、景気支援へ追加措置の用意 新型ウイルス

ワールド

新型ウイルス、韓国の感染者346人に急増 中国では

ビジネス

フランス格付け見通しを「安定的に」引き下げ=ムーデ

RANKING

  • 1

    「鶏肉を洗わないで」米農務省が警告 その理由は?

  • 2

    女子サッカーで世界初、生理周期に合わせてトレーニ…

  • 3

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 4

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 5

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 1

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 2

    「鶏肉を洗わないで」米農務省が警告 その理由は?

  • 3

    アメリカ日本食ブームの立役者、ロッキー青木の財産…

  • 4

    女子サッカーで世界初、生理周期に合わせてトレーニ…

  • 5

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 1

    国境を越えた柴犬人気、しかし問題も

  • 2

    現代だからこそ! 5歳で迷子になった女性が13年経て…

  • 3

    2100年に人間の姿はこうなる? 3Dイメージが公開

  • 4

    「鶏肉を洗わないで」米農務省が警告 その理由は?

  • 5

    世界最大級のネコ、体重320キロのアポロを見て単純に…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:上級国民論

2020-2・25号(2/18発売)

特権階級が不当に罪を逃れている── 日本を席巻する疑念と怒りの正体

MOOK

ニューズウィーク日本版

絶賛発売中!