最新記事
投資

不動産投資はもう「安く買って高く売る」投資ではなくなっている

2019年2月18日(月)15時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

それに対して不動産投資は、金額は大きくないかもしれませんが、借り主がいる限り毎月安定して収入を得られます。物件の価値がゼロになる可能性は低く、購入資金を借り入れできること、購入した物件を担保にできることなども、他の投資と比べた場合のメリットと言えます。

また、積極的に物件のメンテナンスやリフォームをするなど「事業」として取り組むことで、より高い賃料で貸し出せるだけでなく、節税にもつながります。

空室が続けば破産するというリスクも

資産運用をしたいけれど、株はよく分からないし、銀行に預けておくのはもったいないし......と思っている人ならば、ここまでの話を読んで、不動産投資に興味が湧いたかもしれません。ただし、不動産投資にも当然デメリットはありますし、相応のリスクもあります。

最初に挙げられるのが、空室リスクです。どんなにいい物件を手に入れても、借りてくれる人がいなければ利益になりません。だからといって賃料を下げれば、予定していた収入が見込めません。借り入れをしている場合は返済が厳しくなり、赤字が膨らんで破産してしまうケースもあります。

中古物件の場合、設備などの修繕に想定以上の出費がかさめば、やはり赤字になってしまうリスクがあります。売却しようにも、物件の価値が下落して売れないとか、損失覚悟で値下げする必要があるかもしれません。

さらに、自然災害や火災などで物件が倒壊・消失してしまう可能性があることも、忘れてはいけないリスクです。

全ては「物件選び」にかかっている

常に借り手がつくか、経費は最低限に抑えられるか、売却したときに利益になるか......結局のところ、全ては「物件選び」にかかっている、と言っても過言ではありません。

それには、物件のあるエリアも非常に重要です。人口が少ない地域では、必然的に借り手を見つけるのは難しくなります。反対に人気の地域であれば、築30年の中古物件でもそれなりの賃料で貸し出せます。

中古ワンルームマンションから、一棟アパートや戸建て、はたまたビルオーナーまで、不動産投資にもさまざまな種類があります。当然、必要となる金額は大きく違いますし、抱えるリスクも異なります。物件選びの前に、不動産投資によってどんな利益を得たいのかを明確にすることが重要です。

物件探しの際に注意してほしいのが利回りです。確かに利回り10%以上の物件は多くありますが、ほとんどの場合、この数字は「表面利回り」です。上記の説明でも「300万円で利回り10%なら年間30万円の収入」と書いたように、単純に割り算をしただけの数字なのです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米GDP、1─3月期は予想下回る1.6%増 約2年

ワールド

米英欧など18カ国、ハマスに人質解放要求

ビジネス

米新規失業保険申請5000件減の20.7万件 予想

ビジネス

ECB、インフレ抑制以外の目標設定を 仏大統領 責
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 8

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 9

    自民が下野する政権交代は再現されるか

  • 10

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中