最新記事

日本

日本の大学教授は高額所得者か、一般サラリーマン並みか?

2018年2月2日(金)15時52分
松野 弘(千葉商科大学人間社会学部教授)

東京大学の教授はいくらもらっているのか mizoula-iStock.

<大学苦難の時代だからこそ、すぐれた教授をいかに確保するかが重要だが、果たして大学教授はどの程度の給料をもらっているのか。国立大学は大学別の給与リストも掲載する>

今、日本の大学は18歳人口の減少等によって、経営環境がきわめて厳しい状況にあるといわれている。私立大学の約4割が入学定員割れを起こしていることはその証左といえるだろう。大学の志願者や入学者の減少は大学の収入の減少になるからだ。

大学にとっての宝は「人材」、すなわち、すぐれた大学教授(准教授・専任講師も含めて)をいかに確保するかということであり、そのことが大学経営の将来を左右する時代となっている。いい教授によるいい教育が志願者や入学者を集めることになるからだ。

かつて、明治維新以降の日本の近代化過程の時代、国家の発展に貢献するとされていた官僚と学者は、社会的地位の高さの象徴的な存在であった。

第二次世界大戦以前の時代では、「末は博士か、大臣か」という言葉があったけれども、大学教授は今でも子供たちの「あこがれの職業」の中のベスト10に入っていることから、その社会的地位の高さが理解されるだろう。

大学教授は社会的威信からみても尊敬される存在であり、かつ、一般の平均的なサラリ-マンよりも収入は相対的に高いといわれている。大学教授は一般に、他の職業に比べて、(1)安定した収入(教授クラスで、国立大学法人や公立大学法人の大学では、平均1000万~1100万円程度、私立大学では平均1200万~1600万円程度)、(2)身分保証(原則的には、定年[65歳、もしくは、70歳]までの終身雇用)、(3)社会から尊敬されるほどの社会的期待値の高さをもつ職業の1つといわれている。

そこで、これまであまり目に触れることはなかった、現代の大学教授の給料事情を調べることによって、果たして大学教授は今でも経済的に安定した、尊敬に値する職業なのかということを考察してみたい。

国家公務員や民間大手企業の給与と比べると

一般に、高額所得者の最低基準ラインとされているのが、給与所得者(サラリーマン)の確定申告のための収入、2000万円である。

また、高いとされている国家公務員の給与(年収)は、概ね、本省の課長クラス(45歳前後)で約1200万円程度、部長クラス(50歳前後)で約1400万円程度、事務次官・局長・審議官(大臣官房)クラス(55歳前後~60歳前後)で約1800万~2300万円とされている。

民間の大手企業や大手マスコミ関係者では、30歳代後半で1000万円以上の年収があるので、民間企業の場合には、国家公務員よりもはるかに高い給与(年収)をとっている(いずれも推定金額である)。

これに比べて、大学教授の給与(年収)はどうだろうか。

MAGAZINE

特集:5Gの世界

2019-3・26号(3/19発売)

超高速大容量の通信でネット利用が快適に...... どころで済まない5Gの潜在力と激変する未来の姿

人気ランキング

  • 1

    モデルの乳がんを、レンブラントは意図せず描いた【名画の謎を解く】

  • 2

    「虐待が脳を変えてしまう」脳科学者からの目を背けたくなるメッセージ

  • 3

    「囚人式」コンディショニングが、ビジネスパーソンに必要な理由

  • 4

    アフリカの違法エナジードリンク、「6時間たちっぱ…

  • 5

    500年間誰も気づかなかったダビデ像の「目の秘密」【…

  • 6

    完璧としか言いようがない、イチロー選手の引退劇

  • 7

    すべてのパソコンをタブレットに変えたら、どれぐら…

  • 8

    いじめで「死ななかった子」と親を取材して分かった…

  • 9

    全米を震撼させた裏口入学スキャンダル、その驚きの…

  • 10

    巨額負債から回復するも高くついたゴーン流経営 日…

  • 1

    日本の重要性を見失った韓国

  • 2

    モデルの乳がんを、レンブラントは意図せず描いた【名画の謎を解く】

  • 3

    500年間誰も気づかなかったダビデ像の「目の秘密」【名画の謎を解く】

  • 4

    韓国のPM2.5が危機的状況で、比較的空気の綺麗な日本…

  • 5

    「深圳すごい、日本負けた」の嘘──中国の日本人経営…

  • 6

    北斎は幽霊っぽさを出すために子供の頭蓋骨を使った…

  • 7

    日本よ!「反韓・嫌韓」は時間の無駄だ

  • 8

    地下5キロメートルで「巨大な生物圏」が発見される

  • 9

    金正男暗殺実行犯の女性被告1人を釈放・帰国 マレー…

  • 10

    「韓国にまともな民主主義はない」アメリカも抱く誤…

  • 1

    日本の重要性を見失った韓国

  • 2

    家畜のブタが人食いブタに豹変──ロシア

  • 3

    映画『ボヘミアン・ラプソディ』が語らなかったフレディの悲劇

  • 4

    自殺者数、米軍兵力、初任給... 韓国のリアルを10の…

  • 5

    フィンランドで隠し撮りされた「怪物」の悲劇

  • 6

    【動画】サメを虐待した金持ち息子に軽すぎる刑

  • 7

    地下5キロメートルで「巨大な生物圏」が発見される

  • 8

    モデルの乳がんを、レンブラントは意図せず描いた【…

  • 9

    韓国のPM2.5が危機的状況で、比較的空気の綺麗な日本…

  • 10

    『ボヘミアン・ラプソディ』を陰で支えた、クイーン…

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
NWデジタル編集部ほか求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月