最新記事

自動車

ノルウェー2019年新車販売の42.4%がEVに 世界記録

2020年1月6日(月)10時18分

1月3日、独立系のノルウェー道路連盟が3日発表したところによると、2019年の同国での電気自動車(EV)の新車販売が、前年比30.9%増加した。写真はノルウェー・グルスビクのテスラ用充電ステーション。2019年3月撮影(2020年 ロイター/Terje Solsvik)

独立系のノルウェー道路連盟が3日発表したところによると、2019年の同国での電気自動車(EV)の新車販売が前年比30.9%増加した。テスラ製品の需要が大きく伸びた。今年は競合メーカーが新たなモデルを投入する準備を進めており、EV市場の競争が激化する見通しだ。

19年に同国の新車販売に純粋なEVが占めた割合は世界記録となる42.4%だった。18年は31.2%、13年にはわずか5.5%だった。

ノルウェーは、2025年までに欧州で最初にガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する国となることを目指している。同国ではガソリン車やディーゼル車に課される税金が電池式自動車については免除されており、この免税措置導入からわずか数年で渋滞や大気汚染に改善が見られたという。

2019年にノルウェーで販売台数トップ10入りした自動車のうち、フォルクスワーゲン(VW)の「ゴルフ」や日産自動車<7201.T>の「リーフ」、VW傘下のアウディの「eーtron」など大半がEVだった。

トップはテスラの中型セダン「モデル3」。市場シェアは11%に達した。

同年のノルウェーの新車販売台数は14万2381台。このうち6万0316台が電気のみで走行する車だった。

一部の輸入業者はEVの市場シェアが2020年には50━60%に拡大すると予想している。

VWはノルウェー市場の見通しについて「自動車市場のEVのシェア拡大が加速している。2025年には100%に達するだろう」との予測を示している。

気候変動への関心の高まりによって各国が環境規制の強化に動き、環境技術の進歩や消費者意識の変化を促すなか、自動車業界も変貌を迫られている。

今年、テスラは中型のスポーツ多目的車(SUV)「モデルY」をの生産を開始する予定だが、ダイムラーのメルセデス・ベンツやアウディ、フォード・モーターなど数多くのライバルとの競争に直面している。

ノルウェー電気自動車協会は声明で「2020年には20━30車種の新型EVモデルが市場に投入され、その多くが年初の投入となる」との見通しを示した。

*内容を追加しました。

[オスロ ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191224issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

12月24日号(12月17日発売)は「首脳の成績表」特集。「ガキ大将」トランプは落第? 安倍外交の得点は? プーチン、文在寅、ボリス・ジョンソン、習近平は?――世界の首脳を査定し、その能力と資質から国際情勢を読み解く特集です。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

利上げの可能性、物価上昇継続なら「非常に高い」=日

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中