最新記事

ビジネス

ビンラディン捜索にも活躍したデータ解析大手パランティア、SOMPOと共同出資会社設立

2019年11月18日(月)18時51分

米国の大手ビッグデータ分析会社、パランティア・テクノロジーズは、日本のSOMPOホールディングスと共同出資会社を設立した。写真はパランティアの設立者のひとり、ピーター・ティール氏。2016年、米オハイオ州クリーブランドで撮影(2019年 ロイター/Mike Segar)

米国の大手ビッグデータ分析会社、パランティア・テクノロジーズは、日本のSOMPOホールディングス<8630.T>と共同出資会社を設立した。パランティアによると、新会社は当初、医療およびサイバーセキュリティー分野の顧客に焦点を当てる。

新会社には両社が50%ずつ出資し、企業だけでなく日本政府にもサービスを提供するという。

パランティアは国際的に展開する大手銀行や米国政府、米中央情報局(CIA)など幅広い顧客を持ち、企業内にある電話記録や文書など膨大な量のデータを解析するサービスを提供している。

同社の技術が、2001年9月の米同時多発攻撃事件の首謀者とされ、10年間にわたり逃亡を続けていたウサマ・ビンラディン容疑者の捜索にも貢献したと報道されている。

パランティアは2004年に、米決済大手ペイパルの共同創業者として知られるピーター・ティール氏らが設立した。現在の従業員数は約2500人。データプロバイダーのピッチブックによると、同社はこれまでに投資家から27億5000万ドルの資金を調達している。

ティール氏は18日、パランティアについて、今年は黒字に近い業績、あるいはなんとか黒字を達成できる見込みで、来年は黒字を計上すると表明。できるだけ長期間にわたり非公開企業としたいと付け加えた。

関係筋は9月、パランティアがソフトバンクグループからの出資の可能性を巡り協議したとロイターに明らかにした。

ティール氏はソフトバンクについて質問されると、以前の投資については高く評価したが、「過去数年間はややアグレッシブすぎる」との見解を示した。

「成長とユニットエコノミクスのバランスを正しくつかむのは非常に難しい」と述べた。

ソフトバンクグループは今月、投資損失を受けて14年ぶりとなる四半期営業損失を計上した。

[サンフランシスコ/東京 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191126issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

11月26日号(11月19日発売)は「プラスチック・クライシス」特集。プラスチックごみは海に流出し、魚や海鳥を傷つけ、最後に人類自身と経済を蝕む。「冤罪説」を唱えるプラ業界、先進諸国のごみを拒否する東南アジア......。今すぐ私たちがすべきこととは。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国GDP、第1四半期は前期比+1.3% 市場予想

ビジネス

バイオジェン、1―3月利益が予想超え 認知症薬低調

ビジネス

フォード、第2四半期利益が予想上回る ハイブリッド

ワールド

バイデン氏陣営、選挙戦でTikTok使用継続する方
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 7

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 8

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中