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【写真特集】戦火に生まれ、戦火に死ぬクルド兵士
WE CAME FROM FIRE
Photographs by JOEY LAWRENCE
ヤジディ女性部隊に志願した女性兵士(15年5月)
<米軍と連携しISIS掃討作戦に貢献したクルド人の兵士はこう語る「われわれは火から生まれ、火に帰る」>
シリアとイラクを混乱に陥れたテロ組織ISIS(自称イスラム国)は、支配地域の大部分を失い弱体化している。5年以上にわたる戦いで殺戮や破壊された街並み、占領都市の奪還といったニュースは頻繁に報じられたが、戦闘の最前線に立つ人々の姿は謎に包まれたままだ。
米軍と連携し、ISIS掃討作戦に貢献したのがクルド人勢力。写真家のジョーイ・ローレンスはシリアとイラクのクルド人民兵組織を2015年以降数度にわたり訪れ、彼らにカメラを向けた。そこで目の当たりにしたのは、あまりにも過酷な状況と勇敢な戦士の姿だった。
戦闘の情勢や撮影場所ではなく「戦士個人に焦点を当てたかった」と、ローレンスは言う。撮影に応じた若い女性兵士のサリャは寡黙で、自らの生い立ちを語ることはなかったが、武器を握る手には激しい戦闘をくぐり抜けてきた証し――数々のやけどや傷痕が見て取れた。
ある夜、たき火を囲んでくつろぐ兵士がこう話した。クルド人にとって火は極めて重要だ。古い格言にあるように「われわれは火から生まれ、火に帰る」。この言葉からタイトルを取ったローレンスの写真集『We Came From Fire』は、ニュースでは伝わらないクルド兵士の素顔を率直に映し出す。