コラム

荒唐無稽なエンタメ映画『太陽を盗んだ男』は今なら絶対に撮れない

2021年01月13日(水)11時50分

皇居に突撃する理由を、「(陛下に)息子を返していただく」と老人は宣言した。その後の皇居突撃(前半は無許可のゲリラ撮影だ)や原爆を作るというプロットも含めて、今ならば絶対に撮れないシーンが続く。

具体的なプランを持たない中学教師は、世代的には団塊のはずだ。つまり全共闘世代。連合赤軍事件をきっかけに、彼らの国家に対する闘いは終息した。あの時代は何だったのか。同世代のゴジさんの怒りと嘆息の声が聞こえてくる。

この映画を撮った後にゴジさんは、次は連合赤軍をテーマにした映画を撮ると宣言したが、それは今も果たされていない。でもまだ間に合う。観たい。今だからこそ観たい。心の底からそう思う。

magmori210112.jpg『太陽を盗んだ男』(1979年)
監督/長谷川和彦
出演/沢田研二、菅原文太、池上季実子、北村和夫

<2021年1月12日号掲載>

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3月16日号(3月9日発売)は「3.11の記憶 東日本大震災から10年」特集。なぜ取材し伝え続けるのか――。櫻井翔と被災地の10年を、『news zero』キャスターの櫻井自身が初めて長編ドキュメントでつづる。

プロフィール

森達也

映画監督、作家。明治大学特任教授。主な作品にオウム真理教信者のドキュメンタリー映画『A』や『FAKE』『i−新聞記者ドキュメント−』がある。著書も『A3』『死刑』など多数。

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特集:3.11の記憶 東日本大震災から10年

2021年3月16日号(3/ 9発売)

未曽有の被害を出した東日本大震災から10年 櫻井翔はなぜ取材し、伝え続けるのか

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