コラム

パキスタンが非イスラム教徒に不寛容な理由

2020年09月30日(水)20時00分

米国国際宗教自由委員会(USCIRF)の最新リポートはパキスタンについて、イスラム教への改宗が強制されるなど非イスラム教徒の信教の自由が著しく制限されており、今も80人近くが冒瀆罪で投獄され、うち半数が終身刑または死刑に直面していると報告している。キリスト教支援団体NCJPによると、キリスト教徒はパキスタン人口の1.5%未満であるにもかかわらず、過去30年ほどで232人が冒瀆容疑で告発され、同容疑の15%を占めている。

世界人権宣言第18条は宗教の自由に対する権利を定め、パキスタンもこれに賛成している。しかしパキスタンの実態は、近代的な自由や人権の理念からはあまりにも懸け離れている。

それはパキスタンの人々が近代的な自由や人権について無知だからではなく、近代的価値とは全く異なるイスラム的価値を強く信じていることに起因しているというのは、重い事実である。

<2020年10月6日号掲載>

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プロフィール

飯山 陽

(いいやま・あかり)イスラム思想研究者。東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。博士(東京大学)。イスラム教という切り口から国際情勢を分析している。主著に『イスラム教の論理』(新潮新書)。

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