ニュース速報

ワールド

OPECが小幅増産で合意、7月から 実質77万バレル程度か

2018年06月23日(土)04時39分

6月22日、OPECは定例総会で、日量約100万バレル増産で合意した。写真は6月19日、ウィーンのOPEC本部で撮影(2018年 ロイター/Leonhard Foeger)

[ウィーン 22日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は22日、定例総会を開き、7月から小幅な増産を行うことで合意した。増産に前向きなサウジアラビアが反対するイランを説得した格好だ。ただ具体的な増産量は示さず、曖昧な目安を立てるにとどめた。

こうした中、決定を受け、トランプ大統領はツイッターで「OPECが大幅に生産を増やすことを望む。価格を抑える必要がある」と投稿した。

OPECと非加盟国はこれまで、日量180万バレルの協調減産を目標としていたが、ベネズエラやリビア、アンゴラの生産が予想外に落ち込む中、最近では同280万バレル程度と約1.5倍の水準まで減産が進んでいた。

こうした状況を踏まえ、OPECは声明で、減産量を従来目標に戻すと表明した。

これについてサウジは、名目上、世界供給量の1%に相当する日量約100万バレルの増産につながると説明。一方、イラクは一部諸国の生産の完全復旧は困難とみられることから、実質的な増産幅は同77万バレル程度になると指摘した。

市場では増産は織り込み済みだったが、実際の増産幅については小幅との見方が広がった。

S&Pグローバルの世界石油分析責任者、ゲイリー・ロス氏は今回の増産決定について「足元は十分な量だが、イランやベネズエラの供給減を踏まえると、第4・四半期には十分ではなくなる」とした上で、原油価格は値上がりが長期化する可能性があると述べた。

OPECの決定を受けて、北海ブレント原油先物は一時約3%上昇し75.34ドルを付けた。米原油先物は4.6%高の68.55ドル。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください。)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トルコ、経済は正しい軌道上にあり金融政策は十分機能

ワールド

イスラエルのミサイルがイラン拠点直撃と報道、テヘラ

ビジネス

中国シャオミ、初のEV販売台数が予想の3─5倍に=

ワールド

イスラエル北部の警報サイレンは誤作動、軍が発表
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 8

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中