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ロシア元スパイ暗殺未遂、プーチン氏が決定した可能性=英外相

2018年03月17日(土)08時36分

 3月16日、英国のジョンソン外相は、今月初めに英南部で発生した軍用神経剤を用いたロシア元情報機関員の暗殺未遂事件について、ロシアのプーチン大統領(写真)自身が襲撃を決定した可能性が大きいとの見方を示した。写真は16日代表撮影(2018年 ロイター)

[ロンドン 16日 ロイター] - 英国のジョンソン外相は16日、今月初めに英南部で発生した軍用神経剤を用いたロシア元情報機関員の暗殺未遂事件について、ロシアのプーチン大統領自身が襲撃を決定した可能性が大きいとの見方を示した。

同外相は、事件を受け英国でロシア嫌いが広がっているわけではないとし、「われわれの争点はプーチン大統領が支配するロシア大統領府で、第2次世界大戦以降初めてとなる英国、および欧州の路上での神経剤の使用はプーチン大統領自身が決定した公算が非常に大きいと考えている」と述べた。

ロシアのタス通信によると、ジョンソン外相の発言を受けロシア大統領府のペスコフ報道官は、 ロシア大統領が神経剤を用いた襲撃に関与していたとの非難は「衝撃的」で、「容認できない外交規範の逸脱だ」と述べた。

この事件はロシアと英国の二重スパイだったセルゲイ・スクリパリ氏(66)と娘のユリア氏(33)が今月4日に英南西部ソールズベリーで意識不明の重体で見つかったもの。英当局者は事件で使用された神経剤が1970─80年代に旧ソ連軍が開発した神経剤「ノビチョク」だったと特定した。

英政府はロシアに対し事件の説明を求めていたが、ロシアが回答しなかったため、23人のロシア外交官を国外追放する方針を14日に発表している。

英国では2006年にロシアの元スパイだったアレクサンドル・リトビネンコ氏が放射性物質「ポロニウム210」で殺害される事件が発生。この事件でも英国はロシア大統領府が殺害を承認した可能性があるとの見方を示している。

*写真を加えました。

ロイター
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