ニュース速報

ビジネス

テーパリング開始の時機到来、利上げはまだ=パウエルFRB議長

2021年10月23日(土)04時37分

10月22日、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、FRBはテーパリング(量的緩和の縮小)開始に向け「軌道に乗っている」と述べた。写真は9月30日、議会公聴会に出席するパウエル氏(2021年 ロイター/Al Drago)

[22日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は22日、FRBはテーパリング(量的緩和の縮小)を近く開始すべきだが、雇用が過度な低水準になおどとまっているほか、来年には新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によるインフレ圧力が弱まり、高インフレが緩和される可能性があるため、まだ利上げすべきではないと述べた。

国際決済銀行(BIS)・南アフリカ準備銀行(中央銀行)のオンライン会合で「テーパリングの時期だと思うが利上げのタイミングではない」とし、労働市場の回復を忍耐強く待つことができるとした。

また「供給上の制約とインフレ高進は従来の想定よりも長く続く可能性が高く、来年も継続するだろう。賃金への圧力についても同様だ」と指摘。最も可能性が高いのはインフレ圧力が弱まり雇用の伸びが夏季に見られたペースに戻るというシナリオだが、「インフレが持続的に高進するリスクがあると判断すれば、確実にツールを活用する」とした。

その上で、供給網の目詰まりが予想通りに緩和し、サービス部門がより完全に活動を再開して雇用の伸びが加速すれば、FRBが担う責務の一つである完全雇用が来年にも達成される可能性は「大いにある」と述べた。

ただ、物価上昇が根強く継続すればFRBは「確実に」行動を起こすと表明。「FRBの政策は、想定される多様な結果に対応できるようになっている」とし、「経済が予想通りに展開しているかどうか注意深く見守り、それに応じて政策を適応させる必要がある」と語った。

FRBは、インフレを制御するために利上げを実施し、その結果として雇用回復が阻害される事態を懸念している。パウエル氏は、現在はそうした状況にはないとの見方を示しながらも、FRBが担う二つの責務の間に緊張がみられていることは示唆。「現在、リスクは明らかにより長期的で根強いボトルネック、ひいてはインフレ高進に傾いている」としながらも、供給網の問題の解消に向けた時間を確保するために、FRBはこのインフレ高進を「看過」する必要があると述べた。

パウエル氏は「テーパリングの時期が近いとはいえ、堅調な雇用の伸びへの回帰と供給上の制約緩和により米経済の潜在的な生産量の拡大効果が期待できる十分な理由があるにもかかわらず、雇用の伸びを鈍化させる意図と効果を合わせ持つ政策金利を用いた引き締め政策を現時点で実施するのは時期尚早だ」とした。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ

ニュース速報

ビジネス

中国ピンドゥオドゥオ、第3四半期売上予想下回る 研

ワールド

カナダでもオミクロン株確認、アフリカ渡航の2人から

ワールド

米当局、オミクロン流入は不可避と認識 南アなど対象

ワールド

南ア、ワクチン接種の義務化検討 規制強化は見送り

MAGAZINE

特集:AI戦争の時代

2021年11月30日号(11/24発売)

人工知能を持つ戦闘マシンが自らの判断で敵を殺す ──「核より恐ろしい」新型兵器が現実の戦場に現れた

人気ランキング

  • 1

    「米化」でブレイク オートミールにハマった人たちに起きた変化とは

  • 2

    一番人懐こいネコの品種は?甘え過ぎへの対処法は?

  • 3

    子供が欲しかった僕は、女友達と恋愛抜きで子供の「両親」になった

  • 4

    最初から「失敗」が決まっていたクロエ・ジャオ監督…

  • 5

    セブンイレブンに「来店」したクマ、感染症対策も欠…

  • 6

    あなたはいくらエクササイズしても痩せない 脂肪燃…

  • 7

    「クイーンは4人の若者が共に抱いた夢だった」...メ…

  • 8

    EVは地球に優しくても人間に優しくない一面をもつ──…

  • 9

    韓国の新規感染者数が初の4000人超え。日本とは何が…

  • 10

    今度はディオールの写真を「人種差別」と吊し上げた…

  • 1

    一番人懐こいネコの品種は?甘え過ぎへの対処法は?

  • 2

    子供が欲しかった僕は、女友達と恋愛抜きで子供の「両親」になった

  • 3

    最初から「失敗」が決まっていたクロエ・ジャオ監督のマーベル映画『エターナルズ』

  • 4

    あなたはいくらエクササイズしても痩せない 脂肪燃…

  • 5

    多数の難民を受け入れたスウェーデンが思い知った「…

  • 6

    ナイキのシューズがクリスマス、いや来年夏まで入荷…

  • 7

    「米化」でブレイク オートミールにハマった人たちに…

  • 8

    勝海舟があっさり江戸城を明け渡した本当の理由 「無…

  • 9

    コーギー犬をバールで殺害 中国当局がコロナ対策で.…

  • 10

    恋の情趣・風雅・情事 ── 江戸の遊廓で女性たちが体現…

  • 1

    【動画】リビングの壁を這う「猫サイズ」のクモ

  • 2

    一番人懐こいネコの品種は?甘え過ぎへの対処法は?

  • 3

    最初から「失敗」が決まっていたクロエ・ジャオ監督のマーベル映画『エターナルズ』

  • 4

    子供が欲しかった僕は、女友達と恋愛抜きで子供の「…

  • 5

    「可愛すぎて死にそう」ウサギを真似してぴょんぴょ…

  • 6

    ネコはいつでも飼い主を思っていた...常に居場所を頭…

  • 7

    突然の激しい発作に意味不明の言葉──原因は20年前に…

  • 8

    あなたはいくらエクササイズしても痩せない 脂肪燃…

  • 9

    時代に合わなくなったヒーロー「ジェームズ・ボンド…

  • 10

    背中を売ってタトゥーを刻む『皮膚を売った男』の現…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

投資特集 2021年に始める資産形成 英会話特集 Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メンバーシップ登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中