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英就業者数、9─11月は1年ぶり大幅増 失業率は45年ぶり低水準
英国立統計局(ONS)によると、9━11月の英就業者数は20万8000人増の3290万人となり、2018年11月─2019年1月以来の大幅増を記録した。写真はロンドンの職業安定所。2011年8月撮影(2020年 ロイター/Suzanne Plunkett)
[ロンドン 21日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)によると、9━11月の英就業者数は20万8000人増の3290万人となり、2018年11月─2019年1月以来の大幅増を記録した。ロイター調査による予想(11万人増)を大きく上回った。労働市場の減速を巡るイングランド銀行(英中央銀行)の懸念が後退する可能性がある。
金利据え置きを決定した昨年11月、12月の金融政策委員会では、ソーンダーズ委員とハスケル委員の2人が労働市場に失速の兆候が出ているとして、利下げ主張した。それ以降、カーニー総裁も含めた他の3人の委員も利下げが必要かもしれないとの見解を示している。
英中銀が次回、金融政策委員会を開くのは今月30日。
指標の発表を受けてポンドは上昇、英国債価格は下落した。
コンサルタント会社キャピタル・エコノミクスのエコミスト、トーマス・ピュー氏は金融政策委員会は英国経済の状況を見極める上で従来よりも労働市場を重視していると指摘、「そのため、雇用の回復と賃金の伸びのわずかな鈍化は、次回の会合で0.75%から0.50%への利下げをしない理由になる」と述べた。
ONSは、就業者数の大幅な伸びは、6─8月に就業者数がとりわけ急減したことを反映していると指摘した。
9━11月の失業者数は7000人減の131万人。失業率は3.8%で、1975年1月までの3カ月間以来の低水準にとどまった。
9─11月の賃金(ボーナスを含む)は前年比3.2%増。約1年ぶりの低い伸びとなった8─10月と同水準だった。ボーナスを除くベースでは3.4%増で、8─10月からやや鈍化し、2019年2━4月以来の低い伸びとなった。
市場の予想はボーナスを含むベースで3.1%増、ボーナスを除くベースで3.4%増。
ONSのデビッド・フリーマン統計官は「インフレが抑制された状況が続き、賃金の伸びは昨年夏以降鈍化しているが、実質的な賃金は増え続けている」と指摘した。