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米貿易赤字、10月は1年半ぶり低水準 輸入減で内需減速も
米商務省が5日公表した10月の米貿易赤字は、前月比7.6%減の472億ドルと、2018年5月以来、約1年半ぶりの低水準となった。ニュージャージー州ニューアークで2017年11月撮影(2019年 ロイター/Brendan McDermid)
[ワシントン 5日 ロイター] - 米商務省が5日公表した10月の米貿易赤字は、前月比7.6%減の472億ドルと、2018年5月以来、約1年半ぶりの低水準となった。赤字の縮小は2カ月連続で、減少率は今年1月以降で最大。第4・四半期に貿易が経済成長に寄与する可能性がある。ただ消費財の輸入が減少したことで、内需の減速もうかがえる。
ロイターがまとめた赤字幅のエコノミスト予想は487億ドルだった。
10月は輸入と輸出がともに減少。トランプ政権が掲げる「米国第一主義」政策で貿易量が減少している可能性が示された。
ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ライアン・スイート氏は「輸入全体の減少は両刃の剣。赤字縮小にはつながるものの、内需が弱まっていることも示している」と述べた。
9月の貿易赤字は511億ドルと、従来の525億ドルから下方修正された。
国・地域別のモノの貿易収支は、対中赤字が1.1%減の313億ドル。輸出が3.4%増加する一方、輸入は変わらずだった。対日赤字は50億7400万ドルとほぼ横ばい。対欧州連合(EU)赤字は20%急増し164億ドル。一方、対中南米では過去最高の黒字を記録したほか、対ブラジルも14年3月以来の大幅な黒字だった。
インフレ調整後のモノの貿易赤字は39億ドル減の791億ドルと、18年5月以来の低水準にとどまった。実質的な貿易赤字の縮小は10ー12月期の国内総生産(GDP)にプラスに働く可能性がある。今期の成長見通しは1.3ー1.9%。7ー9月期は2.1%成長だった。