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イタリア首相、予算案を擁護 ユーロ加盟国と対立も
10月16日、イタリアのコンテ首相(写真)は、前日閣議了承した予算案を誇りに思うとの認識を示した。写真はローマで9月撮影(2018年 ロイター/Alessandro Bianchi)
[ローマ 16日 ロイター] - イタリアのコンテ首相は16日、前日閣議了承した予算案を誇りに思うとの認識を示した。
予算案は社会福祉支出を拡大し、退職年齢を引き下げるほか、財政赤字を拡大させる内容。イタリア政府は、国内の成長押し上げや貧困の拡大阻止には大規模な歳出が必要だとして引き下がらない構えを示している。[nL3N1WV5CY]
同首相は議会で「緊縮の道をこれ以上辿ることはできないと確信している」と発言。欧州連合(EU)加盟国との「偏見のない」対話で、政府の戦略を説明したいと述べた。
欧州委員会のユンケル委員長はブリュッセルで記者団に「(欧州委が)イタリア政府の提案しているものをすべて受け入れれば、他のユーロ圏諸国から反発が出るだろう」と指摘。
ドイツの与党キリスト教民主・社会同盟のラルフ・ブリンクハウス院内総務は「特に予算の点で、イタリアの状況を懸念しながら見守っている。欧州委が条約に従って、この問題を処理すると確信している」と述べた。
欧州委は2週間かけて、イタリア予算案の枠組みとなる経済財政文書を精査する。同委員会が文書を拒否し、イタリアに修正を求めれば、前例のない事態となり、問題の長期化が予想される。[nL3N1WW0X2]
ただ、ユンケル委員長は「予算問題を巡って事を荒立て過ぎてもいけない」とも発言。「EUのルールを厳密な形ではなく、公正で賢明な形で適用するという状態に戻したい」との認識を示した。
ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のセンテノ議長も「ユーロは、様々な時点と場所で下された決定の上に成り立っている。イタリアの予算は、そうした時点と場所の1つにすぎない」との見方を示した。
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