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ドル軟調、小売売上高予想ほど伸びず=NY市場

2018年10月16日(火)06時36分

 10月15日、ニューヨーク外為市場では、ドルが軟調となった。写真は8月撮影(2018年 ロイター/Maxim Shemetov)

[ニューヨーク 15日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが軟調となった。朝方発表の米小売統計が予想に届かなかったことに加え、前週に大きく上昇した米国債利回りが落ち着きを取り戻したことなどが背景。

商務省発表の9月の小売売上高は前月比0.1%増と、市場予想の0.6%増を下回った。自動車の売り上げが増えたものの、外食が約2年ぶりの大幅なマイナスとなり、全体の水準が抑制された。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の外為戦略部門グローバル責任者、ウィン・シン氏は「小売統計が予想より軟調だったことでドル売りが誘発された」としている。

前週11日発表の9月の消費者物価指数(CPI)も、前月比での上昇率は0.1%にとどまり、市場予想の0.2%に届かなかった。

前週は9日に米10年債利回りが3.26%に上昇し、ドル高に寄与。ただ同利回りは3.15%近辺に戻しており、外為市場ではドルに買いを入れる新たな理由が模索されている。

シン氏は「米国債利回りが再び上昇するまでドル相場は明確な方向性を欠く状態となる」としている。

この日は米国とサウジアラビアとの間の緊張の高まりのほか、前週の世界的な株安につながったさまざまな懸念要因が払拭されていないことから、円やスイスフランなどの安全通貨に資金が流れた。

14日投開票の独バイエルン州議会選でメルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の姉妹政党である保守与党のキリスト教社会同盟(CSU)が大敗した。メルケル政権にとり痛手となる可能性がある。

ソシエテ・ジェネラル(ロンドン)の外為アナリスト、アルビン・タン氏は「今回の選挙結果は大きな政治リスクにはならないと考えているが、欧州には政治リスクが付きまとっていることを思い起こさせる出来事ではあった」と述べた。

英ポンドは1週間ぶり安値近辺で推移。欧州連合(EU)は17日から首脳会議を開くが、英国のEU離脱を巡りアイルランド国境問題の決着が着いていないことが、首脳会議に向けた楽観的な見方に冷や水を浴びせる状態となっている。

ドル/円 NY終値 111.76/111.79

始値 111.72

高値 111.92

安値 111.67

ユーロ/ドル NY終値 1.1577/1.1581

始値 1.1597

高値 1.1606

安値 1.1574

(表はロイターデータに基づいています)

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