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保護貿易主義の脅威、世界経済への投資に悪影響=仏中銀総裁
[ロンドン 24日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー・フランス銀行(中央銀行)総裁は24日、米国の貿易関税が引き起こしている不確実性がすでに世界経済への投資に悪影響を与えているほか、世界経済の成長に深刻なダメージを与えかねないとの見方を示した。
ビルロワドガロー氏は「米国がもたらす保護貿易主義の脅威の広がりがあらゆる場所の成長を削いでいることをわれわれは皆気付いている」と指摘。「最近の不確実性はおそらくすでに投資に対するネガティブな影響を与えている。投資への悪影響は英国の欧州連合(EU)離脱を決定した2016年の国民投票後に英国経済で見られたが、実際の関税による悪影響はそれ以上だ」と述べた。
またフランス銀行の試算として、10%の関税引き上げにより、世界の貿易が2桁減少するほか、世界の国内総生産(GDP)は2%超低下するとした。
さらに「欧州および欧州と肩を並べるカナダ、日本、その他の国々は、国際機関や、共通して尊重されている規則に基づき、国際的な経済関係を断固として守らなければならない」と指摘した。
欧州中央銀行(ECB)は26日に理事会を開催する。年内にも2兆5500億ユーロの債券買い入れプログラムを終了するとみられているが、ビルロワドガロー氏は、金融政策についてコメントしなかった。
ビルロワドガロー氏は金融機関に関する規則の緩和が次の金融危機の下地を作るとも警告。昨年12月に最終合意した国際的な銀行の新資本規制(バーゼルIII)を全ての国が完全に実施すべきと述べた。
ビットコインなど仮想通貨のリスクに対応するためには「国際的に統一された回答」が必要と指摘。「特に仮想通貨資産と実体経済とを結ぶサービスを提供する取引所やプラットフォームに取り組むべき」とした。
*内容を追加して再送します。