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インタビュー:強まる自動車軽量化ニーズ、経営資源を重点投入=JFEHD社長

2018年02月14日(水)15時21分

 2月14日、JFEホールディングスの林田英治社長は、ロイターとのインタビューに応じ、従来以上に自動車の軽量化ニーズは強まるとの見通しを示し、経営資源を重点的に投入する方針を明らかにした。写真はインタビューに応じる同社社長(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 14日 ロイター] - JFEホールディングス<5411.T>の林田英治社長は14日、ロイターとのインタビューに応じ、従来以上に自動車の軽量化ニーズは強まるとの見通しを示し、経営資源を重点的に投入する方針を明らかにした。鉄鋼製品でより軽量化を進めるほか、化学メーカーなどと協業し、複数の材料を併用することで軽量化の実現を図る。

<餅屋同士集まれば、一緒になる必要性はない>

林田社長は、電気自動車に急速にシフトするものの、全体に占める割合は小さいと指摘。ただ、電気自動車でもガソリン車でも「軽量化ニーズは従来以上に強くなる。自動車メーカーは、(ガソリン車でも)今と比べて5―10%は軽量化の余地があると思っている」と述べ、「経営資源を重点的に投入していくことになる」とした。

鉄鋼製品では、引張強度1.5ギガパスカルの超ハイテン(高張力鋼板)を開発。「自動車会社は2ギガパスカルまでやって欲しいと思っている。そこまでは経済的にもいけると思う」との見通しを示した。

一方、複数の材料を併用することで軽量化を実現するマルチマテリアルの動きについては「化学会社などと協業して開発を推進していく」と述べた。樹脂やアルミを扱う企業を買収などでグループに取り込む必要性については「資本までは(必要)ないと思う。餅屋同士集まってやっていけば、必ずしもひとつの会社である必要はない」との見方を示した。

昨年12月、JFEスチールと三菱ケミカルが繊維強化樹脂を活用した自動車用ドアの軽量化製品を共同開発したことを例に挙げ、こうした取り組みを「もっとスピードを上げてやっていく」と述べた。

<次期中計、3カ年の国内設備投資は6500億円超の規模>

売上高経常利益率や単独粗鋼生産などの目標が未達に終わることが確実となり、現中計は「不本意」となった。ただ、コークス炉の更新や増強がほぼ終わるなど「実力は付いてきている」とし、「次の中計は成果に結び付けたい」と述べた。

林田社長は、現中計の3カ年で6500億円プラスアルファの国内設備投資をしてきたことを明らかにした上で、2019年3月期から始まる次期中計3カ年期間中も「これで一段落ではなく、もう一回、同規模の投資は必要。もう少し増えるかもしれない。そこまでやっておくと将来に向けてかなり強い基盤ができる」と述べ、引き続き生産性向上などに取り組む姿勢を示した。

一方、海外においては「世界的な需給を見た場合、今、新しい製鉄所を作るタイミングではない」と述べた。需要が伸びているインドでは「拡張の余地はあるが、単独で行うことは考えられない」とし、15%を出資しているJSWスチールと一緒に考えていく方針を明確にした。JSWスチールへの出資比率引き上げについては「引き上げることによるプラスは考えられない」と否定した。

中国やタイでは「需要動向次第では、自動車向けの下工程の設備をさらに増強する可能性はある」とした。

<好環境の鉄鋼業界、リスクはトランプ米政権>

鉄鋼業界を取り巻く環境は「これだけ世界的に良いのは珍しい。総じてマーケットは堅調」という状況。その中で、リスクとしては、中国と米国のトランプ政権を挙げた。

中国のリスクについては「少なくとも2018年はあまり考えなくても良い。足元は堅調だし、しばらく続く」との見方を示し、「一番のリスクはトランプ米大統領。保護貿易の広がりを非常に恐れている。対米輸出は少なく直接的な影響は小さいが、もし米国がそういう行動をとり、世界中が保護貿易の方向に動けば、全産業にとってのリスクとなる」と指摘した。

米商務省は先月、鉄鋼輸入に関する米通商拡大法232条の報告書をトランプ大統領に提出。大統領が90日以内に輸入制限発動などの制裁措置を判断する。林田社長は、制裁措置次第では「(現状の好環境に)水を掛けることになる」と懸念を示した。

トランプ大統領は13日、米国内メーカーに打撃を与えている鉄鋼やアルミニウム輸入品問題に対応するため、関税や数量制限の導入など、多岐にわたる選択肢を検討していると述べている。

同社は、1日の決算発表において、2018年3月期の連結経常利益計画を2200億円に上方修正した。保守的な前提を置いていることによるプラス要因と足元で進む為替円高のマイナス要因が相殺し「きょう見通しを出しても2200億円になる」と述べた。

(大林優香 清水律子)

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