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ドル107円後半、米長期金利2%割れで一時107円半ば
[東京 20日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の107円後半。米連邦公開市場委員会(FOMC)を経た午前の取引で米長期金利が1.97%台まで低下したことを受けてドルは連れ安となり、107.55円まで下落して5カ月半ぶり安値をつけた。
朝方の取引では、海外投機筋を中心に米国債が買い戻され、米10年国債利回り
米長期金利の急低下を受け、ドルはサポートと見られた107.80円を割り込み、ストップを巻き込んで下落に弾みがつき、一時107.55円と1月4日以来の安値をつけた。その後いったん買い戻されたが、正午前に日銀政策決定会合で現状維持が決まると、改めて107.60円付近まで売られた。
ドル/円の先行きについて、FXプライムbyGMO、常務取締役の上田眞理人氏は「きょうのドルは、サポートとみられていた107.80円を下抜けてから、一度もその水準を回復していない。こうした雰囲気の中、これから市場に参入してくる欧州勢もまずはドルの下値をトライしようとするだろう」という。
米長期金利の急低下について、SMBC日興証券チーフ為替・外為ストラテジストの野地慎氏は「イベント(FOMC)を通過したことで、先物を中心に米債のショートがあぶりだされた」とみている。
ただ、今回のFOMCではハト派のメンバーですら年内2回しか利下げを想定していないため、ここからどんどん債券を買っていこうという向きは少ないだろう、と同氏はいう。
FOMCは19日、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25─2.50%に据え置くことを決定したが、景気拡大を維持するために適切に行動すると表明し、これまでの声明にあった金利調整にあたり「忍耐強く」対処するとの文言を削除した。[nL4N23Q3NR]
三井住友銀行のチーフストラテジスト、宇野大介氏は「今回のFOMCでは『トランプシフト』が鮮明で、口を開けば利下げを要求するトランプ大統領をなだめるために、予防的な利下げもありうべしとしているが、本心は異なっている」とみている。
実際、FOMCメンバーの政策金利見通し(ドットチャート)では、今年は利下げバイアスが現れているが、先に行けば行くほど利上げを主張する向きが増え、FOMCは市場が考えるほど利下げ一辺倒ではないことが分かる。
金融市場では、株価や原油相場が米利下げを先行して織り込んだが、米国債と為替市場での「緩和相場」は始まったばかりで、利下げの織り込みが進めばドルは105円を目指すと同氏は予想する。
ドル/円
午後3時現在 107.63/65 1.1264/68 121.23/27
午前9時現在 108.10/12 1.1234/38 121.45/49
NY午後5時 108.09/12 1.1224/28 121.34/38
(為替マーケットチーム)