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独IFO業況指数、12月は4カ月連続の低下 先行きへの楽観論低下
[ベルリン 18日 ロイター] - ドイツのIFO経済研究所が発表した12月の業況指数は101.0と、過去2年あまりで最低となった。
これで4カ月連続の低下。企業経営者の間でドイツ経済の先行きに対する楽観論が後退していることが浮き彫りとなった。
ロイターがまとめた市場予想は101.8だった。
IFOのクレメンス・フュースト所長は「ドイツ企業の間で懸念が強まっている」とし「ビジネスの現状に対する企業の満足度が低下している。企業の予想も引き続き悪化している。ドイツ経済は、余裕のない祝祭シーズンに直面している」と述べた。
ドイツ経済は9年間にわたって拡大が続いていたが、貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱に対する懸念、新興国市場の成長鈍化が圧迫要因となっている。
IFOのエコノミスト、クラウス・ボールラーベ氏は、ドイツ経済は冷え込んでいるが、景気後退は視野に入っていないとの認識を示した。
ドイツ政府は今年の経済成長率予測を1.7%前後に下方修正した。IFOの予測は1.5%。業況指数で予測が裏付けられたとしている。
デカバンクのアンドレアス・ショエル氏は、英EU離脱とフランスの反政府抗議活動がドイツ経済の逆風になる可能性があると指摘。米中貿易戦争の緊張緩和の兆しが、ドイツ経済の支援要因になる可能性も指摘した。
同氏はリポートで「クリスマス前に明るい材料が出る見込みはない」とし、世界経済は明るい材料よりも依然としてリスクのほうが多いとの見方を示した。
ドイツ政府は、輸出に代わって成長のけん引役となった消費が、来年施行する中高所得層向け減税や児童手当拡大によって加速することを期待している。
IFOのボールラーベ氏は、所得増や雇用拡大を踏まえ消費が増大する可能性があるとの見方を示した。
第3・四半期は、自動車業界の新燃費規制対応の遅れなどからマイナス成長となったが、第4・四半期は回復が予想されている。
低金利や良好な労働市場、賃金上昇が成長を支援すると見られるが、リスクは高まっている。
キャピタル・エコノミクスのアンドリュー・ケニングハム氏は、「来年の成長率が今年の1.5%から1.8%に加速するとの当社の予想へのリスクは明らかに高まっている」と指摘。「今のところ、欧州中央銀行(ECB)は2019年9月に利上げするとの予想を維持しているが、経済情勢悪化で据え置きが長期化する可能性が高まっている」と指摘した。
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